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2021.04.21 コラム

混合ワクチンについて

こんにちは。

 

 

愛犬、愛猫を連れての初めての来院は混合ワクチン接種であることが多いのではないでしょうか。

 

 

今回は混合ワクチンは本当に必要なのか、どのようなワクチンをいつ接種すれば良いのかお伝えできればと思います。

 

 

まずは当院の推奨するワクチネーションプログラムをまとめました。

 

※当院はWSAVA(世界小動物獣医師会)の推奨するワクチンガイドラインに基づいたワクチン接種を推奨しています。ガイドラインは現時点で推奨されるワクチネーションプログラムであり今後の研究により変わっていく可能性があります。

※日本のワクチンメーカーは初年度以降の年一回のワクチン追加摂取を推奨しています。

※ワクチネーションプログラムにはそれぞれの考え方があります。掛り付けの獣医師にご相談ください。

 

 

 

【仔犬・仔猫】

感染リスク高(多頭飼育、屋内外出入りしている同居犬/猫有り)

  1回目 ;6〜8週齢

  2回目〜;16週齢を超えるまで2〜4週間毎に追加接種

  初年度最終;6〜12ヶ月齢に追加接種

  成犬/猫以降;犬;3年以上の間隔で追加接種(毎年の抗体価検査を推奨)

          レプトスピラワクチンは年1回追加接種

         猫;年1回の追加接種

    

 

感染リスク低(室内1匹もしくは少数、屋内外出入りなし)

  1回目;12週齢

  2回目;16週齢以降

  初年度最終;6〜12ヶ月齢

  成犬/猫以降;3年以上の間隔で追加接種(毎年の抗体価検査を推奨)

     ※猫においてはペットホテル等の直前に接種

 

 

【成犬/成猫 で初ワクチン】

   2週間間隔で2回接種

   その後の追加ワクチンは上記仔犬子猫と一緒

 

 

 

 

 

まず混合ワクチンは必要か、についてです。

 

 

混合ワクチンは義務ではありませんので接種しなければならないものではありません。(狂犬病ワクチンは義務ですので接種しなければなりません)

 

 

ですが愛犬、愛猫のためにも接種を推奨いたします。

 

 

混合ワクチンはコアワクチンとノンコアワクチンに分類されます。

 

 

コアワクチンとは世界的に重要とされる感染症に対するワクチンで、犬ジステンパーウイルス、犬アデノウイルス、犬パルボウイルスがこれにあたります。猫ではパルボウイルス、猫カリシウイルス、猫ヘルペスウイルスとなります。

 

 

ノンコアワクチンとは、「個々の動物の地理的要因やライフスタイルによる暴露リスクならびにリスク・ベネフィット比の評価に基づき仕様が判断されるワクチン(WSAVAワクチネーションガイドラインより抜粋)」とあります。つまり生活環境に存在し、感染によるリスクがワクチンの副作用よりも高い感染症となります。日本では犬はパラインフルエンザ、レプトスピラなどがこれに当たります。猫はクラミジア、猫免疫不全ウイルス、猫白血病ウイルスです。

 

 

上記の感染症は日本にも存在しますが、それほど耳にしないのではないでしょうか

 

 

実は病気がなくなったわけではなく、飼い主の皆様が頑張って愛犬、愛猫に混合ワクチンを接種されているからです。

 

 

感染症の蔓延を防ぐには疫学的に70%の個体が免疫を会得する必要があると言われています。

 

 

言い換えると70%以上の愛犬愛猫がワクチンを摂取してれば身近な病気ではなくなり安心して暮らせるということになります。

 

 

逆に70%を切ると、ペットの命を脅かす身近な感染症となり得ます。

 

 

ワクチンを接種することは、皆様の愛犬愛猫を感染症から守るだけでなく、地域から感染症を無くし、安心してペットと暮らせる環境を作ってあげるということにもなるのです。

 

 

そういった背景から当院はできるだけ多くの子たちに混合ワクチンを接種させてあげて欲しいと思っています。

 

 

 

 

次にいつ頃どのような種類のワクチンを接種すれば良いかについてです。

 

 

仔犬、仔猫のワクチンの最適な接種時期は生活環境によって異なります。

 

 

お家の中で一人でいる場合は12週齢から、外や複数匹で飼っていたりなど感染リスクが高い場合は生後8週齢くらいから。シェルター環境(保護施設等)では4週〜6週齢位からが良いとされています。

 

 

始める時期も大切ですが、ワクチンの効果を最大限に発揮するために大切なのは初年度の最終接種時期です。

 

 

ワクチンはブースター効果と言って、初年度に複数回ワクチンを接種することによって感染症を予防できるようになるまで抗体価をあげていきます。

 

 

実は生後16週齢ほどまでお母さんからもらった抗体(移行抗体)が体の中に残っています。

 

 

この移行抗体がワクチンによる抗体産生を抑え込んでしまっています。

 

 

そのため初年度最終ワクチンは移行抗体のなくなる生後16週齢以降に接種することが推奨されています。

 

  

このお母さんからの移行抗体ですが、なくなっていくタイミングは皆違い16週齢を超えて残る子もいます。

 

 

そういった子たちは次のワクチンまでの1年間、感染症に対し無防備のまま過ごすことになります。

 

 

このリスクを避けるためにWSAVAは生後6ヶ月齢での追加摂取を推奨しています。

 

 

 

その後の接種間隔についてです。

 

 

犬はコアワクチンは3年以上の間隔をあけて、ノンコアワクチン も接種する場合はその間の年に年1回が好ましいとされています。

 

 

猫はヘルペスウイルスとカリシウイルスに対する抗体価が下がりやすく、感染リスクの少ない環境であれば3年に1回、リスクがある場合は毎年の接種が推奨されています。

 

 

これは猫のヘルペスウイルスとカリスウイルスに対する抗体価が下がりやすいためです。

 

 

感染リスクの少ない環境で3年に1回の接種している子も、トリミングやペットホテル等に預ける場合はその直前にワクチンを接種してあげると良いでしょう。

 

 

 

最後にどのような種類のワクチンを接種すれば良いかについてです。

 

 

犬はワクチンメーカーにもよりますが、5種ワクチンのようなコアワクチンにパラインフルエンザ、コロナウイルスの加わったものと、10種ワクチンといってさらにレプトスピラの入ったものがあります。

 

 

通常は5種ワクチンで十分ですが、ネズミなど野生動物の多い環境や湿った土の上を散歩する機会が多いのであればレプトスピラまで入ったワクチンをお勧めいたします。

 

 

猫のワクチンは3種(パルボ、ヘルペス、カリシウイルス)とそれにクラミジアや猫白血病ウイルスの加わったものと、猫免疫不全ウイルスのみの単独ワクチンがあります。

 

 

通常は3種で十分ですが、本人または同居猫が室内外に出入りしている場合はn猫白血病ウイルス、去勢をしていない雄で縄張り争いなどケンカをする可能性がある場合は猫免疫不全ウイルスまでのワクチンを接種させてあげた方が良いと思います

  

 

外に出ている猫の猫白血病ウイルス、猫免疫不全ウイルス感染率は高いです。一度感染してしまうと余命のお話をしなければなりません。

 

 

外出がちな猫ちゃんにはぜひ感染してしまう前にしっかりとワクチン接種を行っていきましょう。

 

 

 

※当記事はWSAVAのワクチンガイドラインをもとに作成しています。

※当院は上記ガイドラインに沿ったワクチン接種を勧めていますが、実際の接種にはかかりつけの先生とご相談ください。

 

 

 

 

八ツ木の丘動物病院 院長 青木 進士